寺本の家

きゅっと絞った、大きな窓

京阪神をつなぐイナイチ(国道171号線)と尼宝線(県道24号線)の交わる場所から直ぐのところにこの住宅はあります。

道を一本入ると小川のような水路のせせらぎと黒松の並木、石畳の小道に心地の良い風が吹いています。先ほどの喧騒が噓のようです。

この土地を譲り受けたクライアントはこの石畳の小道が大変気に入ったようで、小道を眺めながら光の当たる窓際でゆったりとした時間を過ごしたい、ということが空間の要望でした。

そこで家族の居場所の中心となる窓を、2階に配置する計画に。

この窓、単なる大きな窓ではありません。窓にあわせて空間を「きゅっと」絞ったような形状にしています。
そうすることで窓周りは天井が低く落ち着きのある空間でありながら、ソトとナカにメガホンのように視線の広がりのある開放感をつくります。

メガホンのようにするために必要だった耐力壁は敢えてリビングにポンとおいています。一見邪魔な壁なのですが、そこに小窓を開けることで視線が抜けたり飾り棚になったりと、家具のような存在になりました。

子供たちもこの空間を気に入ってもらえたようで何より。壁の周りでお子にごっこをしたり、ロフトから紙飛行を飛ばしたり。特に大きな窓がお気に入りでベンチの周りでくつろいだり勉強したりしているそう。決して大きな空間ではないですが楽しさを凝縮したような空間となりました。

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