天井を「下げる」ことで生む効果

空間体験の楽しさをつくる際に”天井の高さ”を意識して設計しています
天井高をあえて低くする、勾配天井をつくる、などをつくることで目線より上の意識が生まれ、
空間が「広がる」「迫ってくる」など、スキップフロアとはまた異なる面白さが生まれると感じています

この住宅は窓高さをH1800にしそこから3.5寸の勾配で広がっていきます

窓に向かって歩いていくと天井が迫ってくるように感じられ、
振り返ってキッチン側を向くとメガホンのように広がりを感じることができます

いちばん端っこは天井高1650mmになっています
私もここが落ち着きます。

勾配天井なので天井が低い、というよりも落ち着いた空間という印象に
敢えて照明を減らすことで色気のある空間も演出できます

こちらのリノベーションでは入口から伸びる下がり天井をH1850mmに
低い天井を抜けると視界の抜ける広がりのある空間となり、豊かなシークエンスとなりました

一部天井高さをぐっと下げることで空間にリズムが生まれます
ここでは窓枠のような効果も付与することで”子供の世界”とつながるような見せ方にしています

ダクトを隠したい、収納スペースを増やしたい、という要望から天井を下げたことは子供たちは知りません
楽しい空間になったようで何よりです

スキップフロアは構造材が増えるのでコスト増になりやすいのですが、下がり天井は造作での対応がほとんどで実はローコストでも実現できる手法です
空間コンセプトやクライアントの要望あってこそですが、こういった面白さは今後も追及していきたいと思います